NEWS RELEASE

ニュースリリース

2024.09.19弊社所属ゴールボール田口侑治選手
パリ2024パラリンピック競技大会を終えてのインタビュー

弊社所属ゴールボール選手 田口侑治が先日帰国し、本社に出社しました。
大会を終えての感想や、今後に向けての意気込みを聞きました。

・ゴールボール男子日本代表として初の金メダルを手にした時、どんな想いが湧きましたか?
まずは、重いなと思いました。次に、いろいろな人にメダルを触ってほしいなと思いました。自分ひとりの力でメダルを獲れたわけではないので、多くの人に金メダルを触ってもらって、この重さを共有したいなと感じました。

・金メダル獲得の一番の要因は何だと思いますか?
一度ゴールボール選手を引退した際、その期間に改めてゴールボールの魅力に気づけたことが一番だと思います。私はディフェンス中心のプレーヤーで、以前は自分に「こうしなければいけない」というプレッシャーをかけながらプレーしていました。しかし、一度引退してさまざまな講演をさせていただき、言葉でゴールボールの魅力を表現しているうちに、ボールを受けること自体の面白みや、どうしたら上手く止められるかな?と考えることがゴールボールの楽しさであることを再認識できました。その結果、以前よりもゴールボールを楽しんでプレーできるようになったことが、自分の競技力向上、金メダル獲得につながったと思います。

・金メダルを獲得した日の夜はどう過ごしていましたか?
私は大会中にケガをしてしまい、亜脱臼の状態になっていたため、麻酔が切れた時は痛くて。痛いながらも嬉しい、という感じでした。予選リーグの早い段階でケガをしてしまいましたが、いろいろな方にサポートしていただいて、何とか決勝の前半まで持ちこたえることができたので、よかったです。写真を撮る時も、メンバーはガッツポーズを右手でするのですが、私は右手が上がらなくて、左手でガッツポーズしていました。それも良い思い出です(笑)。

・決勝戦の前日の夜は、どのように過ごされましたか?
正直、明日どうなるか不安でした。準決勝まではケガをした箇所も麻酔でしのげていたのですが、準決勝の中国戦が終わった途端に右腕が上がらなくなってしまって。ケガをした右肩でボールを受けるなど、中国戦ではすべてを出し尽くしていたので、決勝で自分のプレーができるのかな?という不安がありました。

・その不安をやわらげたものは何でしたか?
モハメド・アリの“Impossible is Nothing”(不可能なんてあり得ない)という言葉に助けられました。不可能なんてないんだ、と心の中で繰り返して、自分の心を落ち着かせていました。その時は、チームメイトと話すというよりは、一人の時間を過ごしたいなと思っていましたね。

・大会のうち、いちばん緊張した試合はどの試合でしたか?
絶対に負けられなかった準々決勝です。私たちは連敗でスタートして、3位通過で2位チームのアメリカと対戦しました。前回の東京大会では準々決勝で負けていたからなおさら、何が何でも勝つという気持ちで、アメリカ戦は緊張しましたね。アメリカは観客の声援もすごく大きくて。会場全体の「USA」コールを聴いて、ますます盛り上がりました。私はアウェーの中で試合をするのが好きで、この巨人を倒してやろうという気持ちが湧くんですよね。アメリカは強くて、試合にかける気合も全然違うので、だからこそ倒してやろうと思いました。

・パリの選手村での思い出を教えてください。
髪を切りに行ったら、まさかの角刈りにされました(笑)。でも現地で髪を切って、思い出を作ることが目的だったので、後悔はしていないです。選手村にはボードゲームやエアホッケーで遊べる施設があって、試合前にチームメイトとゲームでリラックスして試合に臨めたので、それも勝てた要因かなと思います。ゴールボールのチームは本当に仲が良いんです。

・今回の経験をどのように活かしていきたいですか?
自分は一度諦めて競技を離れましたが、そこでいろいろなことを学んで再出発して、金メダルという目標を達成することができました。夢を諦めたり挫折をすることは、最終的には自分の大きな力になるということ、失敗を恐れずに再挑戦するマインドを、講演会や体験会を通じてお話していきたいです。

・応援してくれた方へのメッセージをお願いします!
現地から国内からたくさんの声援やメッセージをいただき、とても自分の力になりました。今回は結果で恩返しできましたが、今回限りではなく、今後も恩返しができるよう、競技力の向上と、ゴールボールの普及活動を両立していきたいです。今後とも応援よろしくお願いいたします!